チタンとは、
1791年イギリスで発見された元素で、金属光沢を持つ遷移元素です。
酸化しにくく非常に安定している特徴があり、
また強い耐食性を有します。
純度の高いチタンは無酸素の空間においての塑性に優れ、
鋼鉄と似た色合いの銀灰色光沢を持ちます。
チタンは鋼鉄以上の強度を持つなど大変強い物質である一方、
質量は鋼鉄の約45%と非常に軽く、アルミニウムと比較した場合、約60%程度重いものの約2倍の強度を持ちます。
これらの特性の影響により、チタンは他の金属よりも金属疲労が起こりにくいという特徴を持ちます。
金属チタンは強度、軽さ、耐食性、耐熱性を備え、様々な分野で活用されています。
強度、軽さ、並外れた耐蝕性、高温に耐えるといった性質から、戦闘機や旅客機などの航空機分野、自動車、潜水艦の耐圧殻、ロケットやミサイル、スプーン・フォーク、中華鍋、印鑑、眼鏡のツル、時計のバンド、フライパン、ゴルフクラブ、自転車のフレームなど多岐にわたって使用されるほか、鉄鋼合金との脱酸剤や、ステンレス鋼において炭素含有量を減少させる目的などにも使用されています。
建材や絵具で使用される他、海水への耐蝕性から、海水の淡水化プラントにおける熱交換器での利用や骨と結合する性質をもち、優れた機械的性質、生体組織との親和性の高さを兼ね備える事による、デンタルインプラントや人工関節/人工骨といった整形外科分野での利用など、多岐に及んでいます。
一般的にチタンと呼ばれるものには純チタンと合金チタンがあります。
金属チタンの比重は4.5で鋼の役6割の軽さです。強度は純チタン及び合金チタンの中から普通鋼レベル、
特殊鋼レベルと同等のものが選べます。
また、耐食性についても、ステンレス鋼に比較して多くの場合極めて優れており、
特に海水に対しては白金に匹敵します。
比重は4.5で鋼・ステンレスの60%と軽い。
ヤング率が小さく、鋼・ステンレスの約50%です。
熱膨張係数はステンレスの約50%です。
熱伝導率および、電気抵抗はステンレスと同等です。
透磁率は1.001で非磁性体です。
項目 | 原子番号 | 原子量 | 比重 | 溶融点 | 線膨張係数 | 比熱 | 熱伝導率 | 電気比抵抗 | 電気伝導率 | ヤング率 | ポアソン比 |
チタン | 22 | 47.90 | 4.5 | 1,668 | 8.4×10-6 | 0.124 | 0.041 | 55 | 3.1 | 10,850 | 0.34 |
鉄 | 26 | 55.85 | 7.9 | 1,530 | 12×10-6 | 0.11 | 0.15 | 9.7 | 18 | 21,000 | 0.31 |
ステンレス | − | − | 7.9 | 1,400〜1,420 | 17×10-6 | 0.12 | 0.15 | 72 | 2.4 | 20,400 | 0.3 |
アルミニウム | 13 | 26.97 | 2.7 | 660 | 23×10-6 | 0.21 | 0.49 | 2.7 | 64 | 7,050 | 0.33 |
アルミニウム合金 | − | − | 2.8 | 476〜638 | 23×10-6 | 0.23 | 0.29 | 5.8 | 30 | 7,300 | 0.33 |
マグネシウム | 12 | 24.32 | 2.8 | 650 | 25×10-6 | 0.24 | 0.38 | 4.3 | 40 | 4,570 | 0.35 |
ニッケル | 28 | 58.69 | 8.9 | 1,453 | 15×10-6 | 0.11 | 0.22 | 9.5 | 18 | 21,000 | 0.30 |
ハステロイC | − | − | 8.9 | 1,305 | 11.3×10-6 | 0.092 | 0.03 | 130 | 1.3 | 20,860 | - |
銅 | 29 | 63.57 | 8.9 | 1,083 | 17×10-6 | 0.092 | 0.92 | 1.724 | 100 | 11,000 | 0.34 |